都内だと、よく行くのがディスクユニオンの中古CDコーナー。
映画見た帰りとかに、ふらっと覗いては、あのギュッと詰まった棚から、何かしら掘り出しもんみつけるのが楽しかったりする。
でも最近、なんか…売ってる商品の“そもそもの数”が減ってきてる気がするんよね。
去年の年末は「まあ年末やけん、棚卸しとか在庫整理とかな」と思ってスルーしたけど、
この前ひさびさに新宿店を覗いたら、やっぱり少ない。
ロックやレゲエのコーナー、昔はぎゅうぎゅうに詰まってたのに、どこかスカスカ。
俺だけ? 勝手な妄想ならそれで済むんやけど、ちょっと気になる。
ましてや最近CDそのものが売れなくなってきてるらしいし。
サブスクはたしかに便利やけど、やっぱ現物手元にもっときたい派なんよね
プロデューサーは誰?どこのスタジオでレコーディングしたんやろ?
エンジニアのこの人の名前見たことある!とかちゃんと隅々までみとるけん。
アナログレコードの復興はいつぐらいからなんやろ?
アナログの新譜は平気で5,000円ぐらいしとる。
中古じゃなくて、ふつうに“新しいアルバム”がそれくらい。
ジャケットも大きくてかっこいいし、「持ってる満足感」は確かにある。
でも、買ったあとほんとに針を落としてる人ってちゃんとおるよね?
こないだどこぞの記事で、レコードのジャケットをインテリア代わりにしとる
若い人たちも多いとか。
でもそんなことゆうてたら、俺かてそうやったわ
レコードはすり減るけん(と思って)、カセットテープに吹き込んで(昭和な表現)
ウォークマンとかで学校の行き帰りに聞きよったもんね。
とはいえ、掘り出す喜びって、やっぱりあるんよ。
昔、渋谷のレコファンで、西新宿でめっちゃ高い値段がついてたXTCの曲がはいっとる
コンピ版がこの値段で!!?やっす!!と見つけたときなんて、まるで金塊でも掘り当てた気分やった。
なかなか最近はすっかりそういうのなくなったな。
時間かけてゆっくりレコード屋とかに行かなくなったからかもしれん。
今はもう、サブスクで“とりあえず聴ける”時代やけど、
あの「棚から手に取る」「安レコ見つける」っていう動作には、身体が音楽を選んでる感じがあった。
ジャケ写を眺めて、レーベルを確認して、帯の推薦文にちょっとニヤけて——
そういう一連の動作が、すでに“音楽体験”の一部やったんよね。
その意味では、CDが減ってることそのものより、
「選ぶという行為」が減ってることの方が、ちょっとさびしい気もする。
思いがけず出会う感覚。棚を覗いて、心がちょっと動く感じ。
あれが、今や貴重になりつつあるってことかもしれん。
ちなみにこの日、結局何も買わんかった。
2〜3枚、気になるCDはあったんよ。帯付きのジャズ再発、70年代のロック名盤。
リマスターされて音もよくなっとるであろう。
でも今聞いてそれ、わかるか?俺?と自問自答。
手に取って、裏ジャケ眺めて、トラックリストも確認して、そっと棚に戻した。
昔の自分やったら、間違いなく買ってた。でも今は、なぜか指が止まるんよ。
「いや、家に似たのがあるけん」「また来たときに残ってたら」——
気づかんうちに、“選ばない理由”の方を探すようになっとる。
最後に、これだけはちゃんと言っとこう。
ほんとは新品で買わんとね。
新品で買う、ってことが、アーティストに届くって、頭ではちゃんとわかっとる。
でも、棚にポツンと現れたレア盤を見ると…こっちの手が先に動くとよ。
アーティストの皆さん、すまんばい。
できるだけ、新品も買いよるけん、ご心配なく。
それだけ吟味して買うけど。
ただし、中古CDの出会いは、一期一会。
そんとき買わんかったら、次はもうないと思ってよか。
あーどうしようって思って翌日もっかいいったら無かったってほんとあるけんさ。
では、またくるけん!!
音楽との出会いは、まだまだ続くばい。
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